2009年がはじまって早一週間です。

寒い日が続いていますが皆様は風邪などひいてはいないでしょうか?

野生のヒグマは「冬ごもり」をするための穴の中に笹や枯葉、小枝などを集めて、それを敷いて寝床を作ります。

こうすることで、地面からの冷えや体が水になどに直接ふれて濡れることを防ぐ役割も果たします。快適な「冬ごもり」を過ごすためのクマの知恵には感心させられますね。

「多頭数による人工冬ごもり」を行っているベアマウンテンでは一冬分の枯葉や小枝など集めることが不可能ですので寝床用に稲ワラを使用します。

そこで、普段の動きが緩慢になってきたクマ達には試験的に1〜2束を与えてみます。そうすると寝室に散らかったワラの1本まで大事そうに両手でかき集め、それを口にくわえて短く噛み切ったり、両手で揉んで柔らかくするなど、それぞれが思い思いの方法で自分好みの寝床を作りその上で眠り始めました。寝床の場所や、形にも個性がみられます。

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ちなみに、冬ごもりにはいる状態になっていないクマ達はワラを部屋中に散らかし汚してしまいます。

自然界では「冬ごもり」に入る要因の一つに、気温の低下と積雪が関与していると言われていますが「人工冬ごもり」に関しては寝ワラも関係しているのかもしれませんね。

なぜそう感じたかというと、ドンドンとシュート扉を叩いていて冬ごもりに入る気配のなかったクマも寝ワラを試しに与えたところ、すぐに寝床を作り始めその上で寝始めました。また、扉を叩く行動もなくなったことからそう言えるかもしれません。

ベアマウンテンではこれからが本格的な冬ごもりに向けての取り組みになります。 【伊藤】

P1050010_640.jpg(おまけ)寝床の寝心地を体験・某飼育係の後姿!